| 3月25日(月) 後大静脈症候群 |
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犬や猫の病気の中には特定の季節に多発するものがあります。
たとえば、人間のインフルエンザと同様に、猫の風邪・猫ウイルス性鼻気管炎は冬に流行します。
年によって若干違いますが、3月から5月にかけて、この地域ではフィラリアの急性症状である後大静脈症候群(VCS)が発生します。
通常のフィラリア感染症は虫体が肺動脈に寄生することによって少しずつ肺高血圧症を生じさせ、そこから肝臓の鬱血・肝硬変と右心不全を数年がかりで進行させて行く慢性疾患です。
ところがVCSとは、ある日突然に、肺動脈に寄生していた虫体が右心房という場所に移動して起こる急性症状なのです。元気でフィラリアの症状など何もなかったワンちゃんが、突然元気、食欲をなくし、赤いおしっこをし、苦しそうに呼吸をし始めるなどの症状が見られます。赤いおしっこは、虫体の周辺で血液の流れに乱れが生じて赤血球が壊れ(溶血)、その破片が尿中に現れるからです。苦しいのは、虫体が右心房にある弁の機能を悪くすることから急性の心不全が生じたためです。
治療は、手術によって右心房内に移動した虫体を摘出することです。
左下の写真は犬の首を切開して、頚静脈からフィラリアの虫体を摘出しているところ、右下の写真は摘出したフィラリアの成虫です。
決して安全性の高い手術ではありません。手術中はもちろん、術前術後も容態が急変しやすく、気を抜くことができません。
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犬を飼われている皆さん、フィラリアは治療をする疾患ではありません。フィラリアは予防する疾患です。まだ予防されていない方は、早く動物病院へご相談ください。きちんと動物病院へ行って、健康診断を受けた上で予防薬を処方してもらってください。 |
| 3月22日(金)交通事故 |
昨夜、急患の猫が来院されました。交通事故に遭った様子です。最近は発情の季節なのか、ケンカや事故が多く来院されます。避妊して屋内で飼っていればこんなことにはならないのに、、、
それはさておき、重体です! ほとんど意識はなく横臥状態で呼吸数が多い上に身体全体で呼吸をしています。肺が破れたか(気胸)?横隔膜が破れたか(横隔膜ヘルニア)?それとも胸腔内で出血しているか(血胸)?
歯茎を見ると蒼白、全く赤みがありません。いわゆるショック状態です。
すぐに腕の静脈に留置針を入れて(VTがいてくれたら楽なのに!)、ソル・コーテフと止血剤を注射。そしてラクトリンゲルの大量投与。
ブレンデを担架にしてレントゲン室へ!
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撮影が終わったらそのまま入院室へ行き、酸素の吸入です。
レントゲン写真が上がってきました。まずは横向きの写真(写真上)を見ると、案の定、小さな心臓。これはショック状態を意味します。そしてその心臓が背中がわに変位して見えます。これは、やはり気胸なのか!気胸ならばすぐに胸に針を刺して肺の外に溜まった空気を抜かなければ行けません。一人ではできない処置です。早合点した私はVTに電話。
「もしもし、一人じゃ胸腔穿刺できないから助けに来て。」
しかし、その直後上がってきた縦向きの写真を見ると気胸の所見はありません。
もう一度横向きの写真を見ると縦隔洞(心臓、食道、気管などがある左右の肺に挟まれたスペース)の中にある血管が浮き上がって見えます(この写真では分かりにくいでしょうが)。
これは、その縦隔洞の中に空気が漏れた時、すなわち縦隔洞気腫に見られる所見です。これなら胸腔穿刺の必要はありません。再度、VTに電話してお詫びしました。
1時間ほどしてショック状態が改善すると、頭を持ち上げ始めました。呼吸も少し楽そう。よかった。よかった。
ちなみに下の写真は翌日のものです。心臓のサイズも大きくなっています。
でも骨折してる! |
| 3月20日(水) 春の往診 |
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まだ3月なのに5月並みの陽気でした。今日の午後は手術の予定もなく、ちょっと郊外まで往診に行きました。
当院の所在地は倉敷市の西の端。自動車で10分も走ると田園風景の広がる浅口郡金光町(金光教という宗教の本部があります)に入ります。今日は、その金光町にあるお宅までの往診でした。
かなり強い日差しに自動車の中はかなりの温度でしたが、さすがに窓を開いて走っているとすごく爽快でした。往診に行ったお宅は広いお庭に様々なお花を植えられていて、そこを自由にワンちゃんが走りまわっているとのことです。部分的にワンちゃんに掘り返されたお花もあったりして。
このお花はなんて言うんですか?などとお花の話に、それこそ花が咲きました(もちろん診察もちゃんとしました)。
ちょっと一息。時間が有れば往診いっぱい行きたいな。
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| 3月19日(火) 公開手術 |
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今日の午後は他の病院の先生から紹介されていた患者さんの手術を行いました。しかも、紹介くださった病院の先生が3人も見学に来られての公開手術でした。
手術自体はそれほど難易度の高くない猫の眼球摘出でしたが、ヘルペスウイルスの角結膜炎の合併があるのだけが問題でした。とはいえ、私自身、あがり症ですし、若い先生たちの熱心な眼差しにさらされてかなり緊張していました。
発育中にずっと目を患っていたせいか、強膜(白目)の発育が異常に悪くて薄いため、かなり慎重に手術を行わなければいけませんでした。
私自身は手が震えることもなく、何とか無事に、いつも以上に(いや、いつもどうり)丁寧に手術を終えました。
見学の先生方が帰られた後、スタッフに「見られてて緊張したね。」と声をかけました。術野の消毒をしていた奥山さんは、消毒しているところを紹介病院の院長先生にじっと見られて手が震えたとのこと。また、手術助手をしていた中手さんは、緊張して倒れそうだったとのことでした。
始終笑顔の二人でしたが、どうやら私以上に緊張していたんですね。
スタッフの皆さん、ご苦労様でした。次回も頑張りましょう。
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| 3月18日(月) ドライフード |
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昨日は岡山県獣医師会の講習会に出席していたため、休診でした。
それでも夜には2件ほど急患が! うち1件は、猫の尿道閉塞で危険な状態。すぐに入院していただきました。
この病気は猫下部尿路疾患(FLUTD)、かつては泌尿器症候群(FUS)と呼ばれる比較的よくみられる疾患です。膀胱内の尿中に微細な結晶が析出し、この結晶や様々な炎症由来のごみなどが陰茎部尿道を閉塞させ、排尿困難あるいは完全な尿道閉塞を起こす病気です。
この病気がひとたび発症すると、猫はトイレに頻繁に通うようになり、いつまでも排尿姿勢を続け、悲鳴を上げるようにもなります。閉塞を起こしたペニスを気にしてずっとなめているのも観察されます。
時間の経過とともに膀胱が尿でいっぱいになると、おなかに固い塊として膀胱が触れる場合もあります。そうなると腎臓が尿の生成を止め、血液中にカリウムというミネラルが増加し、このカリウムが心臓の拍動を止めて死をもたらすことになります。尿道閉塞が起きてから最短6時間で死に至る場合もあるといわれます。この猫の飼い主さん、昨年12月にも同じ病気で猫を亡くしているとのこと。すぐに治療に同意されました。
まだ心臓が大丈夫であることを確認の上、軽い麻酔をかけてペニスの中に詰まっている砂を洗い流します。するとすぐにトマトジュースのような血尿が勢いよく流れ出してきます。pHの高い尿は臭いです。閉塞が解除されると、尿道にカテーテルを入れ、先端が膀胱内に入ったところで固定します。そして膀胱内を軽く洗浄し、後は抗生物質による膀胱炎の治療と点滴による痛んだ尿路系の活性化です。
さて、この病気の原因はドライフードの中に混入しているマグネシウム(+その猫ちゃんの体質)といわれています。タンパク質を生成する時に大量のマグネシウムが添加され、それがドライフードに残存し、食べた猫ちゃんのオシッコの中でリン・アンモニアと化学反応を起こして結晶化するわけです。
この病気にならないように予防するにはマグネシウムの含有量の少ないドライフード(サイエンスダイエットやユーカヌバ)を普段から与えることです。また病気にかかった猫ちゃんの再発予防には、動物病院専用の再発予防用のフードを与える必要があります。詳しくは動物病院にお問い合わせください。
食事に気を付けていないと間違いなく再発します。
ホントに、ホントにご注意ください。 |
| 3月16日(土) 病気の総合商社 |
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ただ今、午後10時を回ったところ。今夜は夜勤なのですが、問い合わせの電話があるだけで外来はありません。平和、平和。
今話題の某代議士を「うその総合商社」と揶揄した国会の証人喚問はちょっと笑えました。でも今日来院した「病気の総合商社」はちょっと悲しくなりました。
飼い主の方を責めたくはありませんが、かなり前から病気には気付いていたとのこと。
猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎、膵炎と慢性下痢症、瓜実条虫寄生、ノミ寄生、マダニ寄生。これ、一匹の猫がかかっている病気です。血液検査をするとさらに、貧血、血小板減少症、尿毒症も判明。何から治療をすれば良いのやら。
かなり時間をかけて説明しました。栄養剤の注射などを行って内服薬を1週間分お渡ししました。そして、飼い主さんが帰り際に一言。
「この薬、1週間飲ませたら、ぜんぶ治るんですか?」
絶句、、、
話は変わります。
動物とともに生活しているとやがて別れの時がやってきます。
別れの時は当然つらいですが、その時を予感してしまうこともかなりつらいことなんだなあ、改めてその予感に向き合うことのつらさを認識させられる漫画を読みました。
月刊Cats4月号に掲載されているCatsまんがシアター「続・きのうのきかいちゃん」です。ぜひお読みください。とっても切ない物語です。
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| 3月15日(金) 毒物警報 |
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ちょっとプライベートが大忙しで、更新が滞ってしまいました。ごめんなさい。それにしても暖かいですね〜。春がやって来たって感じでしょうか。
唐突ですが、この場を借りて警告です。
玉島・黒崎地区で薬物(毒物?)によると思われる急性腎不全が連続して発生しています。
外に出されている猫ちゃん、散歩に行っているワンちゃん、充分に気を付けてください。いずれも体格の良い、元気だった動物が犠牲になっています。
来院時には意識はなく痙攣を起こしている状態でした。黄疸が認められ、血液検査で急性腎不全と肝機能障害があることが判明しました。クレアチニンが22mg/dl(正常値は1mg/dl以下)という値のため予後は絶望的です。痙攣を止めてあげるのが精一杯でした。
昨年の10月にも、笠岡でこのような事件(?)が連続して起こったことが記憶に残っています。この時は警察も捜査していたようですが。
もう一件、かわいそうな高齢の犬の患者さんが来院されました。
数日前に他の病院で大きな腫瘍の摘出手術を受けたとのことでした。その後、嘔吐が続き起立することもできなくなっていました。
脱水、黄疸、呼吸困難、口腔内に溢れる茶色の粘液、四肢端が冷たいなど、一般状態を見ただけで敗血症に由来するショックが疑われました。血液検査では白血球の著増、血小板の減少、BUN、ALP、クレアチニン、CPKの著増。さらに凝固系が亢進(PT、APTTの増加)。当院でAT−IIIは測定できませんが、DIC(播種性血管内凝固;血管の中で血液の凝固がどんどん起こり、逆に必要な血液の凝固が起こらなくなって出血しやすい状態になる病態)を起こしている可能性が疑われます。
予後がほとんど期待できないことを飼い主の方に説明しましたが、治療を希望されたため、入院してもらい、大量に点滴を開始。抗生物質、ヘパリンの投与。さらにFOYを点滴。
努力をしましたが、輸血をする間もなく亡くなりました。
動物のDIC治療あるいは予防に関する明確な指針がないせいもありますが、臨床をやっていて、敗血症とDICはかなり大きな壁です。
治療を行った動物が亡くなることは、飼い主の方の心痛には及びませんが、獣医師にとってもたいへん心の痛むことなのです。
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| 3月12日(火) ノミ |
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日に日に暖かくなって行きます。すると発生するのがノミ。年によってノミの発生状況は様々です。3月になると同時にノミの駆除に来院される患者さんが急増する年もあれば、4月、5月と少しずつノミ駆除の需要が増えていく年もあります。さて、今年はどんな具合でしょう。ノミ駆除薬の仕入れには昨年の実績があまり役に立ちません。
ということで、今日、ノミの大発生している猫ちゃんが来院されました。診察台の上に乗せて5分も経たぬ間に、診察台の上には黒い粉と白い粉がいっぱい。黒い粉はノミの糞。水に濡らすと赤いシミに変化します。白い粉はよく見るとラグビーボール型。これはノミの卵なのです。
正直、私もノミの卵を初めて見たのは、この地に開業してから。北海道にいた頃はノミの成虫すら見たことがありませんでした。さらに、幼虫を見たときはもっと驚きました。この地が田舎であることに感動すら覚えたのが記憶にあります。
現在、ノミの予防薬は、内服薬、注射薬、塗り薬、首輪と様々な製品が販売されています。動物病院に相談して、猫ちゃんのライフスタイルに合った製品を紹介してもらってください。
ノミの予防はもう始めないと遅いくらいですよ!
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| 3月11日(月) 前十字靭帯の断裂 |
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昨夜の雨も上がり、今日は暖かな一日でした。駐車場のお花に水遣りするのも半そででオッケー!って感じでした。そして夜、病院が終わって気付いたのですが、今日は一日暖房を入れ忘れていたのでした。やっぱりツーバイフォー住宅は暖かいのですね。三井ホームさんに感謝。
今日の午後は予定していた膝蓋骨脱臼と前十字靭帯断裂の修復手術を行いました。手術を行ったワンちゃんは中年のヨークシャテリアで、1歳になる前から膝蓋骨(膝のお皿)が内側に外れてしまう病気でした。そのうえ、先日何かで足をいため、膝の関節を支えている前十字靭帯を切ってしまったのです。
前十字靭帯の断列は人間でも見られる事故で、お相撲の舞の海さんがこの事故の後、引退されたのが記憶に残っています。
膝蓋骨脱臼は、もともと膝蓋骨が納まっている大腿骨の溝が浅すぎることが原因です。その溝を覆っている軟骨を薄くはがし、その下の骨を削って溝を深くするのが膝蓋骨脱臼の手術です。
また、前十字靭帯の修復には、太ももにある筋肉を包む筋膜から靭帯に代わる帯を作って、前十字靭帯が付着していた場所に移植する手術です。
それほど難易度の高い手術ではありませんが、ちょっと手元が狂うと取り返しがつかなくなる手術なので、かなりの集中力が必要です。
ちょっと時間がかかりましたが、なんとか無事に手術を終了することができました。術後しばらくは足が脹れて、びっこがひどくなります。でも最近は良い鎮痛剤が開発されているので、術後の疼痛管理がすごく楽になりました。
さあ、明日は大型犬の避妊手術があります。がんばらなくっちゃ! |
| 3月10日(日) 中毒のその後 |
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ここのところ続けて日曜日を休診にしていたため、この土・日に予防の患者さんが集中して来院されました。久々の外来、大忙し。そればかりでなくこの週末も週明けも手術予約がびっしり。そのため週末に来院された手術の必要な患者さんを9日の夜に手術しておりました。
さて、8日の夜に入院したメタアルデヒド中毒の患者さんですが、嘔吐、下痢、痙攣が翌朝までは続きましたが、その後ぴたりと治まりました。呼吸不全も起こりません。そして今朝、メタアルデヒド中毒初の退院患者さんとなられました。よかった、よかった。
でも、まだまだ重い患者さんが入院しております。今夜も夜更かしです。でも、早く寝ないと明日がつらい〜!
明日は膝蓋骨脱臼と前十字靭帯断裂の手術があります。 |
| 3月8日(金) メタアルデヒド中毒 |
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飛び石で今夜も夜勤。早速、重い患者さん(犬)が来られました。
農薬や肥料、洗剤をぐちゃぐちゃにして食べた様子とのこと。
来院時にはすでに嘔吐、流涎、痙攣が見られました。でも意識はある様子。活性炭をいっぱい食べさせて、デキサメサゾンとジアゼパムを注射。痙攣が少し治まったものの、高い熱から来るパンティング呼吸(体温調節のためのハアハアという呼吸)はまだまだひどい。
実はこの子が食べた農薬とはナメクジの駆除に使うメタアルデヒドという物質。この薬による中毒に解毒剤はありません。対症療法のみ。一日経ってから呼吸不全がやってきます。
過去に数回、この中毒の犬の治療をした経験があります。いずれも来院時には意識がありませんでした。そして全頭、治療の甲斐なく亡くなっています。これらのことを全て飼い主の方に説明しました。とりあえず、明日の朝までは入院して点滴するとともに痙攣などの対症療法を行い、様子を見ることに決まりました。
これから暖かくなると農薬中毒がすごく多くなります。散歩に行くワンちゃんは、田んぼや畑の周辺からコースを外すようにしてください。当然、自分ちのお庭に殺虫剤なんて撒かないでね。 |
| 3月6日(水) シャンプーに注意 |
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今夜は久しぶりに夜勤です。今月の夜勤のシフトは変則的です。それから、昨日はプロバイダーのトラブルでネットに接続することができませんでした。更新が今朝になってしまったことをお詫びします。
さて、今日はシャンプー関係のトラブルが2件ありました。
1件目はお肌のトラブル。要するに洗いすぎ。犬の皮膚は人間の皮膚と構造も生理も違います。犬の肌は人間の肌のように洗って清潔を保てるようにはできていません。洗えば洗うほど、フケが多くなり臭いも強くなってきます。二週間に一度以上のペースでは洗わないほうが良いでしょう。ただし、皮膚病治療のための薬浴はこの限りではありません。
もう一件はシャンプーが目に入ったことによって起こる角膜上皮びらんという病気です。シャンプーが目に入ると、その刺激で角膜の表面を覆っている角膜上皮細胞層という薄皮が剥がれてしまうことが時にあります。「低刺激」と書かれているシャンプーでも当然起こります。「このシャンプーは刺激が強いです。」と書いてあるシャンプーはないでしょ?
角膜上皮がはがれると角膜は青白く濁ります。痛みがとても強く、動物はしきりに目を掻こうとします。この行為がさらに角膜の病変を悪化させます。また痛み自体も、目の中にある毛様体筋という筋肉を緊張させて瞳孔を小さくさせてしまったり、虹彩炎という病気を引き起こすこともしばしばあります。この痛みのコントロールと虹彩炎の予防には「アトロピン」という目薬がよく効きます。目を掻かさないこと(エリザベスカラーの装着)とアトロピンによる痛みのコントロールだけで再生能力の高い角膜上皮はすぐに再生し数日のうちに治癒します。
エリザベスカラーをつけることを躊躇すると、角膜がさらに深部まで溶けていったり(角膜潰瘍)、上皮が張りかけては剥がれたりを繰り返す再発性上皮びらんという病態に陥ったりすることがあります。
当たり前のことですが、シャンプーは目に入れないようにしましょうね。入った時にはすぐに病院へ行ってください。人用の疲れ目の目薬や市販の目薬を入れると大変なことになりますよ。
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| 3月5日(火) 避妊手術パート2 |
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久しぶりに一日中雨でした。屋外の運動場が使えなくてちょっと不便。洗濯物も乾きません。外来患者さんも少なめ。いろいろデスクワークをする時間が持てました。
さて今日の午後はゴールデンレトリバーの避妊手術です。昨日ちょっとお話したように、避妊手術の目的は病気の予防にあります。このワンちゃんは乳腺に腫瘍ができ、すでに片側の乳腺は腋の下から内股まで切除しています。乳腺腫瘍の摘出手術の後に早く避妊手術を行ったほうが予後が良いことがすでに知られているため、今回避妊手術をして乳腺に影響を及ぼすホルモンを分泌する卵巣を摘出してしまうわけです。
乳腺にしこりができた場合は、そのしこりを切って取ってしまって、はい、おしまい、ではダメなわけです。病理検査を行うなどして腫瘍であるかないかを確認した上で周辺の乳腺もすべて切除してしまうことが必要です。同時に肺などへの転移の有無も調べなくては行けません。また時間を置かないで避妊手術を実施する。それが実際に推奨されている乳腺腫瘍の治療法です。
いろいろやっかいな乳腺腫瘍ですが、この病気は早期の避妊手術で防ぐことが可能です。繁殖の計画がないのでしたら早く避妊手術をしてあげてください。年をとってから3回も4回も手術するのはもっとかわいそうですから。
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| 3月4日(月) 避妊手術 |
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今日はぽかぽかと暖かく、駐車場のお花に水をやっていると、ホントに暖かい日差しに驚かされました。相変わらず休み明けは外来が多く、春の気配を楽しむなど程遠い一日でした。
なぜか、今日の手術は避妊手術ばかり。時間が余りかからない手術ですが、術前術後の準備や検査など意外に時間を取られてしまいます。
避妊手術の目的は二つ。望んでいない子供を産ませないようにすることと、卵巣から分泌されるホルモンによって起こる種々の病気を防ぐことです。
特に欧米では動物愛護の観点から避妊手術は重要視され、獣医師の公共サービス的要素も強い手術です。、それゆえ避妊手術の料金は他の診療費に比べてかなり割安になっています。当院でも、避妊手術は他の手術に比べて低く設定しています。今日避妊手術に来られた飼い主の方も、手術費用の安さに驚かれていました。
割安の手術とは言うものの、きちんと気管内挿管したうえでガス麻酔を実施し、滅菌した術衣を身に付け、心電図から血圧、カプノグラム(呼吸器系の管理)までモニターしながらの手術です。ご心配なきよう。
具体的な費用はここではお知らせできません。あしからず。
明日は大型犬の避妊手術があります。これは大変だ!
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| 3月3日(日) 眼科研究会@香川 |
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今日はひな祭り。我が家は子供が皆女の子。ささやかにお祝いをしました。
香川県で行われる第19回日本獣医臨床眼科研究会に朝から参加していました。
午前中は「視覚を消失した目の診断と治療について」、「角膜疾患の診断と治療」という基礎的な教育講演が2題行われました。
午後は症例報告を中心とした一般演題の発表が行われました。
演題名だけ以下にお知らせします。
「ビーグル犬に見られた無色素性悪性黒色腫の1例」
「眼球内に膨隆をみた球後膿瘍のネコの1例」
「ネコの肥大性心筋症に続発した眼症状」
「先天性水晶体異常の2症例」
「Parshall法を用いたデスメ膜瘤の外科的整復例」
「兎眼による角膜潰瘍の1治療例」
「一元放射免疫拡散法にもとづく測定キットによる犬および猫の涙液中のα1−酸性糖蛋白の定量」
「炭酸ガスレーザーを利用した犬の類皮腫切除術の1例」
「水晶体に起因する疾患のいろいろ」
今回の研究会は地方都市での開催になりましたが、地元の先生方の参加も多く発表演題に関する討論も活発で、主催者の予想以上の盛会であったようです。開催にあたりご尽力された役員の先生、ご講演をされた先生、お疲れ様でした。
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| 3月2日(土) 多頭飼育 |
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明日が休診のせいか(最近、休診多いなあ、、、)、やはり外来の多い一日でした。1年で一番暇な時期なんですが。
昨日の血便のワンちゃんが再来。少し顔つきは良い様子ですが、まだ血便と嘔吐あり。ウイルス性の腸炎の可能性はまだ高いと考えています。今年はけっこう流行っていますから。でも、パルボチェックは陰性。白血球の数も多い。パルボウイルス感染症は除外できるのではないでしょうか。こんなかんじの腸炎、4、5日は消化器症状が続くのではないでしょうか。
一難去ってまた一難。夕方、ネコの汎白血球減少症(パルボウイルス感染症)が強く疑われる患者さんが来院されました。白血球が下がっているのでこちらは疑いが濃厚。
このお宅、猫を多頭飼育しており、過去にネコウイルス性鼻気管炎(FVR;ネコの風邪)にみんなが罹患している病歴あり。それでもなかなか予防注射を打とうとしない。その後もFVRの再発で来院を繰り返していました。
そこに来て今回は、汎白血球減少症ですか、、、(ため息)。
この病気、きちんと治療すれば生存率は決して悪くはないのですが、多頭飼育しているお宅ではそれも困難と思われます。別の多頭飼育しているお宅で、全滅という惨劇を見たことのある私としてはけっこうブルーです。
汎白血球減少症でないことをお祈りいたします。
さて明日は香川県で眼科研究会があり、休診です。 |
| 3月1日(金) 血便 |
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月が変わって3月1日。清々しいはずの朝は早くから一本の電話で始まりました。
昨夜まで元気だった犬が、朝起きて見ると、嘔吐、血便、そしてぐったりしているとのこと。すぐに来院を希望され、私は眠い目をこすりながら身支度を整えて病院に向かいました。そして患者さんが到着し、急いで待合室から診察室へ。その時でした、飼い主さんに抱えられた犬のお尻からドバーッと血便が!
あたり一面にトマトジュースのような血便が飛び散り、飼い主さんにもかかっています。まさに踏み場のない「血便の海」。
かなりブルーな気持ちで消毒を始める私。まず、足の踏み場を確保しないと、、、。化学物質などに強い壁材と床材でホントに良かった、、、。ビルコン(消毒薬)を大量に使って消毒を徹底的に行いました。
これだけの血便をしているわけですから、当のワンちゃんもかなり衰弱。大量の輸液、止血剤、抗生物質そしてインターフェロンと、できる限りの対症療法を行いました。りん告からは原因はわかりません。パルボチェックも陰性です(でも明日になっても陰性とは限らない)。明日はより詳しい検査を実施しましょう。
診察が終わる頃、VTもご出勤。もう一度院内の消毒と駐車場の消毒を行いました。伝染病とは限りませんが、少しでも可能性があれば疑わざるを得ません。院内感染が起こっては大変ですから。むしろ徒労であってくれればと願っています。
また、時間外の出来事であったことも幸いです。大勢の患者さんの目の前でこんなことが起こったら、、、考えただけでぞっとします。
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